EC2の「購入オプション」は、名前が似ているうえに“割引”と“キャパシティ確保”が混ざって語られがちです。SAA-C03でも、料金の暗記そのものより「この要件ならどれを選ぶのが筋が通るか」を落ち着いて判断できるかが重要になります。
この記事では、オンデマンド・リザーブドインスタンス(RI)・スポット・Savings Plansを、判断軸とよくある混乱ポイントで整理します。実務でもそのまま使える考え方に寄せているので、学習中のメモとしても役立つはずです。
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まず押さえる全体像
この章では、購入オプションを“同じ土俵”で比較できるように、最初に整理しておきます。
購入オプションは大きく2系統に分かれる
EC2の購入オプションを理解するとき、最初にやるべき分解はこれです。
- 割引モデル:使い方にコミットして単価を下げる(RI / Savings Plans)
- 変動キャパシティの活用:余剰を安く使う(スポット)
- 基準となる通常購入:必要なときにそのまま買う(オンデマンド)
オンデマンドは「秒単位課金で長期コミットなし」という基準点です。ここを起点に、要件に合えば割引やスポットを選ぶ、という順番にすると迷いにくいです。
もう1つの落とし穴 キャパシティ確保は割引と別の話
試験でも実務でも混乱が多いのがここです。
- 「割引が欲しい」= RIやSavings Plans
- 「このAZで必ず起動したい」= キャパシティ確保(RIのスコープや別機能の話になりやすい)
たとえばRIでも「ゾーン(Zonal)」は特定AZに紐づき、キャパシティ予約に関係します。一方で「リージョン(Regional)」は基本的に特定AZのキャパシティを予約しません。ここを分けて覚えるだけで、選択肢の見え方が変わります。
オンデマンドとスポットを具体例で理解
この章では“短期・変動・中断”という要素がどう選択に効くかを整理します。
オンデマンドは迷ったら戻る基準点
オンデマンドは「必要なときに起動して使った分だけ支払う」購入方法です。短期案件、要件が固まっていない段階、急に増減する負荷など、見積もりが難しい時期の受け皿になります。
例
- 検証環境を数日だけ立てたい
- 月末だけバッチが重くなるが、将来は構成が変わるかもしれない
→ まずはオンデマンドで開始して、傾向が見えたら割引モデルを検討
スポットは「安い」より「中断しても大丈夫」が本質
スポットは余剰キャパシティを安く使えますが、AWS側がキャパシティを回収すると中断されうるのが前提です。中断は「2分前通知」が基本で、停止・休止・終了など挙動も選べます。
スポットが向く例
- CI/CD、テスト、ビルド
- キュー処理、バッチ、HPCなど“やり直せる”仕事
- コンテナで台数を増減しやすいワークロード
スポットが難しい例
- 中断=そのまま障害になる単一サーバ構成
- セッションをローカルに持ち続ける設計(ステートフル単体)
試験で問われやすいのは「安いからスポット」ではなく、中断耐性の設計(冗長化・再試行・分散)を前提に選べるかです。
なお、スポットはSavings Plansの対象外で、Savings Plansのコミット消費にも使われません(ここもひっかけになりやすい点)。
RIとSavings Plansを混同しない整理
この章では“どこにコミットするか”で覚えるとスッキリします。
Savings Plansは「時間あたりの利用金額」にコミットする割引
Savings Plansは、一定の利用(USD/時間)を1年または3年コミットすることで、対象のコンピュート利用が割引される仕組みです。
Savings Plansには代表的に次があります。
- Compute Savings Plans:EC2に加えてFargateやLambdaにも適用され、柔軟性が高い
- EC2 Instance Savings Plans:特定リージョン×インスタンスファミリーへのコミットで、より低価格になりやすい
ざっくり言うと、
- 構成変更が多いならCompute
- EC2でインスタンスファミリーが固いならEC2 Instance
が判断の起点になります。
RIは「属性が合致したオンデマンド使用」に割引を当てるイメージ
RIは“インスタンスそのものを前払いで買う”というより、条件に合うオンデマンド利用に割引が適用されると捉えると正確です。
RIには主に以下の分類があります。
- Standard / Convertible:Standardは割引が大きい傾向、Convertibleは交換で柔軟性を取りやすい
- Regional / Zonal:Zonalは特定AZに紐づきキャパシティ確保に関係、RegionalはAZ柔軟性が高い
RIとSavings Plansの“試験的に混乱しやすい差”
ここは、言葉で暗記すると崩れます。判断軸で押さえます。
- コミット対象
- Savings Plans:時間あたりの利用金額(USD/時間)
- RI:特定属性の一致で割引が当たる
- 柔軟性の方向
- Compute Savings Plans:広く柔軟(EC2以外も)
- EC2 Instance Savings Plans:リージョン×ファミリー内で柔軟
- Convertible RI:交換で柔軟性
- キャパシティ確保
- Zonal RIはAZに紐づき、確保の話になりやすい
- Savings Plansは“割引”が主で、キャパシティ確保そのものではない(必要なら別の選択肢も検討)
試験での判断フローと勘違いチェック
この章では、問題文の要件から逆算できるように、判断フローを作ります。
判断フロー 要件をこの順番で読む
問題文を見たら、次の順でチェックすると選びやすいです。
中断してよいか
- 中断OK(再試行できる、分散している、バッチ)→ スポット候補
- 中断NG(単一サーバ、即時停止で障害)→ スポットは外す
期間と利用の安定度はどれくらいか
- 短期・不確実 → オンデマンドが自然
- 長期・安定 → 割引モデル(RI / Savings Plans)を検討
変える可能性が高いのはどこか
- インスタンスタイプやファミリーを変える可能性が高い
- リージョンやOS、テナンシーを動かす可能性がある
この“変わりそうポイント”で、Compute Savings Plans / EC2 Instance Savings Plans / Convertible RI / Standard RIの方向性が見えます。
よくある勘違いチェック
最後に、混乱を防ぐためのチェックリストです。
- スポット=常に最安で安定ではない(安いが中断がありうる)
- Savings Plansを買えばスポットもさらに安くなるは誤り(スポットは対象外)
- RI=インスタンスを固定で確保できるは半分だけ正しい(Zonal/Regionalで違う)
- 割引が欲しいとそのAZで必ず起動したいは別問題(分けて読む)
学習の進め方とUdemy教材の一例
この章では、暗記で終わらせず“判断できる状態”にする学習手順をまとめます。
学習は料金表より先にユースケースで腹落ちさせる
購入オプションは、細かい割引率を覚えるよりも、次ができると強いです。
- 問題文から「中断OKか」「期間が長いか」「何が変わりそうか」を抜き出せる
- その要件なら、オンデマンド・スポット・割引モデルのどれが自然か説明できる
- RIとSavings Plansの違いを“コミット対象”で言語化できる
公式ドキュメントの該当ページを、ざっとでいいので一度“通読”すると混乱が減ります。特にEC2の購入オプション一覧ページは全体像が掴みやすいです。
ハンズオンでおすすめの小課題
- 週次バッチをスポット前提で動かすとしたら、どんな作りにするかを箇条書きする
(再試行、分散、途中経過の保存など) - 「3年間ほぼ同じ負荷だが、インスタンスファミリーは変えるかも」など、条件を変えて最適解がどう動くかを練習する
体系的に学べる教材の一例 Udemy
SAA-C03の学習では、購入オプション単体というより「設計の判断(可用性・コスト最適化・運用)」の流れの中で理解すると残りやすいです。
Udemyには、SAA-C03対策の講座でコスト最適化の章としてRI/Savings Plans/スポットをまとめて扱っているものがあり、動画で一気に整理したい人には相性が良いです(講座は複数あるので、レビューやカリキュラム構成を見て合うものを選ぶのがおすすめです)。
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まとめ
EC2購入オプションは、用語の暗記で攻めると混乱しやすい分野です。この記事で押さえたかったポイントは次の3つです。
- オンデマンドは基準点。短期・不確実ならまずここから
- スポットは「安い」より「中断しても成立する設計」が前提
- RIとSavings Plansは“何にコミットして割引を得るか”で整理し、キャパシティ確保の話と混ぜない
SAA-C03では、要件から自然に選べるかが大事になりやすいので、ぜひ「中断OKか」「期間と安定度」「変わりそうポイント」の順に読み解くクセをつけてみてください。

